4/7 文學界

平民金子さんのメルカリ日記を手にすることができなかった。

スマホに出品されましたと通知がくるのだけども、ページへ向かうとすでに売り切れてしまっているということがなんども続いてしまい結果手に入れられず。こちらが勝手に自分はコアなファンだなどと思い込んでいるだけで、世間的にすでに売れっ子である氏の文章は値千金の価値があるとみなされているのだろう、よって自分ごときものには手に入らないのである、なければなくてなんとかなるのだ、と諦めようと試みることにした。

 

勝手に売れっ子であると思い込んでいるのだけど、ツイッター平民金子さんが文學界に連載を始めるという記事を複数見かけたのででは買いに行こうと出かけることにした。まずは一番近所にある本屋に出かけてみたが置かれてない。文芸誌は焼津市の文芸やいづが平積みでもっとも多いようで後は2、3誌程度しかない。やっぱり思った通りかと次の店へと自転車を漕ぎだす。さすがにおそらく市内で一番本の量が多いだろう書店で文學界が3冊ほど平積みになっている。一冊税込1150円。ちょっと高いなあと思いながらもレジへ。すると1149円ですと1円お釣りを返してくれる。レシートにも税込1149円と記されている。平民金子さんの金銭的呪術効力なのだろうか。なんだか不思議な気持ちになりながらも、さてどこで読むかと考えつつ、隣にスーパーでパンなどを買って再び自転車であてもなく街を走りだす。

 

おっさんが昼間にいてもいいような神社や適当な公園はないかとギコギコと漕いで行くのだけども神社にはベンチすらない。焼津の端になる瀬戸川ぞいの公園の端っこにようやく東屋風の場所を見つけてそこで弁当と文學界を使うことにする

 

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子どもを育てたい場所と自分が住みたい場所、場所というよりも環境というべきだろう、その環境について同じことを思うなあと、それ以前に求職中の保護者では子育てどころではないなあなどと思いながらも、さすがにいい文章だなあと感心しながら、目の前をときどき通り過ぎるおじさんや貨物電車の姿を見ながら3pほどのエッセイを読み進める。

 

買えなかったメルカリ日記は1200円だった。金額だけの比較ではこちらの方が安くついたと思えば他の小説なども楽しめて得したといえるなと考えるが、やはりこの文章を書いた背景的なことが日記に書かれているのではないかと、それも知りたかったと思うと日記は買えなくてもよかったとは思えなくなってしまった。