大仏鉄道探索のこと 黒髪山に掛かる橋編

@niftyデイリーポータルZ:高速道路に架かるでっかい陸橋
http://portal.nifty.com/2009/12/11/b/

というネタをtumblr経由で発見しました
高速道路を走っていると見ませんか、あのおおきな橋。あれを現地まで見に行ったという内容なんですが

橋は意外と水を渡す役割が大きいんだなー、ということが今回わかったポイントだ。
@niftyデイリーポータルZ:高速道路に架かるでっかい陸橋
http://tuvuan.tumblr.com/post/287636843

というまとめになっています。


実は同じような橋が大仏鉄道にも掛かっていました。
正確には元々はトンネルの上の道路だったものを橋にして巨大な切通し道路にしてしまったものです。
トンネルの名は黒髪山トンネル。加茂から奈良間の唯一の鉄道用トンネルでした。
陸橋の名前は黒髪橋でいいのでしょうか。


もともとはこんなトンネルでした。

(引用:大仏鉄道遺跡)

ここを蒸気機関車が駆け抜けていたのだそうです。
山の上には道や用水路などがあったと思われます。道路は当時の地図にも記載されています。


それが現在では
DSCF6388
このように切通しになってしまいました。
列車が通らなくなってからトンネルを道路して利用していましたが、車社会へ突入してからは狭いトンネルが交通の障害物となってしまいました。そのためトンネルを拡張するのでなく山を削ってしまうという工法で道路幅を確保すると言うことになったようです。
でここは推測ですが、掘削によって出た土砂を後背地の京都府側の木津川あたり現在の学研都市などの整備用に回したのではないかと考えています。
トンネルが失くなったのは昭和38から39年のことだそうです。
長崎と同じように用水用の管も設置されているのかもしれません。


上空から見るとこんな感じです。

大きな地図で見る


トンネルの拡幅、追加工事よりも山を削りとってしまうほうが利点が大きいこともあるんですね。
大仏鉄道オタクとしては象徴的な物件が消滅してしまったという欠点になりますが。
さすがに天下に名を知らしめた関西鉄道のトンネルだっただけに、トンネル入り口の装飾としてつけられていたレンガ造りの社章は大阪の鉄道博物館で保存され現在もその名残をかすかに伝えています。