大仏鉄道探索のこと 平成の現実編

幻の鉄道、関西鉄道大仏線、通称大仏鉄道。


今、そのすべてが消え去ろうとしています。
http://www.eonet.ne.jp/~daibutu/
上記サイトにも書かれている通り、現在残っている大仏鉄道の跡地は、そのほとんどがUR都市再生機構の所有となっており、また開発地区の中の未開発地であることから早期着工がなされないといけない地域にあります。


かつて何もない田んぼを横切っていた築堤もそこに作られたトンネルや橋はすべてあたらしい土地に生まれ変わるべく取り除かれるのです。
そこに込められたそれぞれの人々の思いをどこかに置きやりながら。


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100年前にも鉄道反対派として活動した人がいたかもしれない、田んぼしかない場所からなんとか収益をあげるべく土地を売り渡した人もいる。その土地を赤い機関車で通り抜けるために苦心惨憺機関士として働いた名もない鉄道屋。汽車が来るからと孫の手を引いて土手まで見物に出かけた村のおばあさん。大仏見物へと名古屋から高い切符を買い求めてはるばるやってきた貧乏書生。
廃線になってから線路の跡をなんとかすべく活動した地元代議士。消えかかっていた鉄路の思い出を掘り起こした現在の鉄道ファン。


それらはたぶん顧みられることもなく消えていくんでしょう。
寂しいが仕方がないことなのかもしれません。
歴史の流れとはそういうもんだ、とあきらめるか。
そんなことはない、まだまだ歴史は続くと奮励努力していくか


何もなくなっても誰かが語り継ぐことで過去の記憶をのこせるのではないか
暗く考えても仕方ないので、いいほうに考えるようにしています