女子高生が迫ってきた

久しく女子高生などとお近づきになる機会はなかった。チャンスがあってもお近づきになりたいと思わなくなっているような気もしているのでまあいいかと思っていたのだけどやっぱり何かいいことがあるかもしれないと思うと近づいてみたいと思うけども、実際に近づくとして何を話していいか分からないしそういった技術を全く会得していないのでやはりお近くに行く機会はない。のだけれどもなんと今日は朝から向う側からこちらにお近づきになろうと身を寄せてこられたので参ってしまった。すぐそばに体を擦りよせるように近づいてくる彼女のことを僕は何も知らない、どこに住んでいるのか、何年生なのか、部活は、やっぱりラインとかやっているのかスマホを持ってないから連絡取り合いもできないけどどうしよう、などと考える間もなく出勤途中の僕に彼女は自転車ごと身体をぐぐぐぐぐうと傾けるようにして寄ってくる。直線の道路でまもなく並走から追い抜きをかけようとする軽自動車にそれほどまでに身体を投げ出そうとするのか、すべてを差し出しても付いていきたいということなのかおっさんのフェロモンが車の隙間から漂っていて思わず身体が動いてしまうのだろうか。昨日は痛かった腰と最近続く頭痛を抱える四十路男が支えようと気は思うけれど、鋼鉄の自動車を運転中あるので、コツンとあたれば、諸々の処置の後、病院ご両親との初対面で何を語るべきかも分からない。まず謝罪。