年賀状

年賀状

 「これはダメ。これも違う、おしい1つ違い。今年は1枚もなかった。」
 ヨメさんが1枚1枚丹念に年賀状のお年玉くじの結果を確認した。今年の当選は0枚。
 僕には友人があまりいないので年賀状は出すのももらうのも少ないのだが、ヨメさんはそれなりのつながり社会があり、なんやかんや40枚ほどの年賀状が到着していた。
 しかし元日からわずか二十日で、年賀状は年始の挨拶状から単にええモンがあたるかもしれない宝くじに変身させられていた。
 「元気ですか。」「引越しました。静岡の暖かさが懐かしい。」「子どもがやんちゃばかりで・・・。」などなどの挨拶などはすっとばしひたすら番号だけ確認されて行く年賀状たち。
 せちがらさを感じながらも末等の切手シートも当ってないかと思うと「もう一度確認しとくわ」と年賀状の束を手に取ってしまうのだった。
 
 追伸。Zさんへ。あなたが1枚違うハガキで出していたら切手シートが当たってたのに