ちゃちゃちゃ

ちゃちゃちゃんちゃちゃんちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃ〜ん
午後4時半。防災無線から今日も謎の音楽が流れてくる。謎だと思うのはよそ者だけであってここに住んでいる人々にとっては謎でもなんでもない、午後4時半に流れるモノ、というだけのこと。なにが気になるだだねあんたは。気にならないわけがなく午後4時半だけでなく午前7時半にも同じ曲が流れるのだから気にならないわけがない。防災無線の大きなスピーカーから流れる音楽は聞き場所によって
は微妙にずれた複数の音としてちゃちゃちゃ〜ちゃちゃちゃちゃ、ちゃちゃちゃ、頭が揺すられる位置もあるので焼津では一日に2回立ち位置に気を付けていなければいけない。そのちゃちゃちゃんちゃちゃんちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃ〜んとは何だ、と言われてすぐにネットで検索すれば市役所サイトに書かれているはずだけど調べなくてもいい。調べようとするのはまだまだここの人間ではないと言われるようなよそ者崩れの人間なのだ。ここに住むものは防災無線のスイッチが入る瞬間のしゃっという音を、いやそんなことすら気にすることなく母の介護をし田を耕し子どもを世話しジョイフルパルに出かけていくのだ。