ライター講座に通っています。今回も竹内厚、中村悠介の両氏が講師なって会場は中之島デザインミュージアム de sign de >にて行われています。
5月の課題は400文字で「好きなもの」。というわけで以下に書き記します。

「私のすきなもの」丹羽豊

パンの焼けるにおいが好きです。
正月、実家で「ホームベーカリーがあるっていいなあ」と言っていたら、父が送ってきてくれた。うちの親にするとホームベーカリーなどを欲しがる私が不憫だったらしい。そういうつもりで言ったのではなかったのだけど。家人によると、やってきたホームベーカリーを見てにやけていたそうだ。
それから我が家では2日に1回はパンの焼ける香ばしいにおいが目覚まし代わりに漂っていくようになった。さらにパンをお弁当にするために少し早起きになった。
パンのにおいがしない朝があった。小麦をこねるための羽根を付け忘れたために、パンにならずに焦げた小麦粉の固まりができていた。その固まりを見てショックで遅刻しそうになってしまった。
今日もパンのにおいが漂う朝を迎えた。まだ粗熱の残るパンに包丁を入れた瞬間、宿題の締切りは今日だということを思い出した。好きなパンのにおいが急に焦げパンのにおいになった気がした。

言い訳。
無記名の合評会がおこなわれるだろうと思っていたら記名式だった。そのため唯一の男受講生の文章だとばれないような小細工も通る事は無く、ネタとしては失敗。文章云々よりも目のつけどころは評価いただいた。